農家を救う狩猟ビジネス、
捕まえているのは人の心。

太田製作所 代表

太田 政信

自分のまちを、自分の手で守ってみせる

嬉野のお茶農家に生まれた太田さん。農家として、父親と同じ道を歩みはじめますが、心を込めてつくった農産物が、イノシシなどに食べられてしまう獣害に悩みます。
とにかく農産物の被害を減らそうと、自ら箱罠を製作。すると、おもしろいようにイノシシが捕獲できたと言います。
しかし、捕獲できた喜びと同時に、太田さんにはある想いが芽生えます。「猟友会の高齢化が進み、数十年後には猟ができる人がいなくなってしまうことに気付いたんです。捕獲する人がいなくなるとイノシシは増え続けます」生まれ育ったまちの未来に危機を感じたのでした。

太田さん写真1

マイナスのものを、プラスに変える活動

やがて全国から自作の箱罠を、譲ってくださいという声が増え、ビジネスとしての試算ができ、猟師として生きていくことを決意した太田さん。
罠や道具を製作・販売する『太田製作所』を立ち上げたのです。それから、嬉野町では獣害は減少。農家さんたちからは、感謝の言葉がかけられるそうです。
それでも「今は、罠を売るだけです。捕獲した命を頂いて、多くの人に食べてもらってこそ本当の猟師だと思います。ジビエをこのまちの特産物にしたい」と語る太田さん。被害を減らし、特産品をつくる。太田さんはこのまちの大きな役割を担っています。

太田さん写真2

太田さん写真3

PROFILE

1988年嬉野市のお茶農家の家に生まれる。
家業の農家の道へ進むも、農作物をイノシシなどの野生動物に荒らされる獣害に悩む。捕獲のために、狩猟免許を取得し、地域の獣害の減少に貢献。次第に猟のおもしろさに気付き、猟師に転職。以後、新しい猟師のスタイルを確立しながら、罠や猟の道具を日本全国に販売している。

地域を活かし佐賀をつくる SAGA LOCALIST
LOCALIST(ローカリスト)は、佐賀県内で精力的に地域づくり活動に取り組んでいる方で、若い世代の方々にお願いしています。