防災の専門家として、
日本で一番「防災に秀でた町」づくりを。

『Public Gate合同会社』代表

公門 寛稀さん

活動の中で見つけた「災害に強い地域づくり」に必要なこと

公門寛稀さんが地域防災に取り組み始めたきっかけは、2016年4月に発生した熊本地震の災害支援でした。「災害支援組織のスタッフとして熊本県で支援活動に従事したことを契機に、全国の被災地で災害支援に携わることになりました。そのとき、日本は自然災害の多い国なのに、必要な防災のノウハウがあまり共有されておらず、地域ごとに防災レベルもバラバラであることに気が付いたんです」。

また、普段からお祭りやイベントなどで住民同士のつながりのある地域は、結束力や自発的に行動する力があり、災害時も復旧作業のスピードが速いと実感。

「僕ら外部の人間が支援できる期間は限られているので、本当に災害に強い地域にするためには、地域住民が防災の知識を持つことや、行政の方が被災時に適切な対応ができるようになること、そして地域のコミュニティを強くすることが大切だと考えるようになりました」。

その後は佐賀県大町町の地域おこし協力隊員として地域防災の仕組みづくりに取り組み、現在は防災事業を担う『Public Gate合同会社』の代表として、行政機関や民間企業と連携をとり、防災を始めとする地域課題の解決に努めています。

日常の小さな知識を増やすことが、防災の第一歩

2024年には地域コミュニティづくりの一環として、地域の方と協力し、六角川を舞台にしたイベント『六角RIVERフェス』を開催。イベントをきっかけに、河川流域の市町では行政区を越えた横のつながりも生まれています。

「起きるかどうか分からない災害に対しての取り組みは、必要性を理解してもらうことが難しい。でも、実際に令和元年、3年の2度の豪雨で被災を経験し、災害対策に高い意識を持つ大町町でなら優れた体制づくりができるはずです。協力してくださる方や活動についての問い合わせなども増えてきて、地域が動き出したことを実感しています」

まずは天気予報で雨雲レーダーをチェックしたり、ガスコンロを使わないご飯の炊き方を調べたりといった、普段のちょっとした意識が防災につながると話す公門さん。大町町で「災害に強い地域づくり」を実践しながら、そのノウハウが全国各地で活かされていくことを目指しています。

PROFILE

公門 寛稀(くもん ひろき)

2016年に熊本地震の被災地支援を行ったことをきっかけに、災害支援組織スタッフとして全国の被災地支援に従事。2020年より大町町地域おこし協力隊を務めた後、『Public Gate合同会社』代表として、地域防災や被災地支援の活動に取り組んでいる。防災のためにも重要な地域コミュニティづくりのひとつとして、2024年『六角RIVERフェス』を開催。新たなイベント企画も現在考案中。

Public Gate合同会社

〒849-2101
佐賀県杵島郡大町町大町5258-3

地域を活かし佐賀をつくる SAGA LOCALIST
LOCALIST(ローカリスト)は、佐賀県内で精力的に地域づくり活動に取り組んでいる方で、若い世代の方々にお願いしています。