先日、普段は公開していない有田焼の製造現場が見学できる「オープンファクトリー」が実施され、有限会社藤巻製陶(以下藤巻製陶と表記)を取材させていただきました。庭の一角に置いてあるものを社長が手に取って皆さんに見せました。球形で、口が狭いもの…一輪挿し?何とこれは手りゅう弾の本体でした!第2次世界大戦時に、手りゅう弾のボディ部分を作らされたという歴史がありました。これが回収される時、社長のおばあ様が「作り手にとってこんなものを作らされるほど悲しいことはない。これを後世に伝えなくてはいけない!」と、とっさに手元にしまい、今日まで保管しています。社長のおばあ様はこれを見せながら「こんなことがあったんだよ。忘れないでほしい。」と社長にお話をされたそうです。
穏やかな藤巻製陶の敷地内で、ふと見た歴史のひとコマでした。