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多良岳登山レポート&太良町一日満喫プラン 

多良岳登山レポート&太良町一日満喫プラン 
太良町お出かけスポット
太良町

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有明海に面し、多良岳に抱かれる太良町。豊かな自然に育まれた竹崎カニ、竹崎カキは絶品。良質な温泉に恵まれたリゾート地でもあります。
今回の主役は多良岳。標高996mの低山で、初心者にも上級者にも人気の山。古くは修験道場で、現在も山中には菩薩像など仏教の名残があります。このことからパワースポットとしても有名です。
「多良岳を愛する会」会長のマウンテン池田さんに、多良岳の楽しみ方や、下山後に寄りたいおすすめグルメとスポットを教えてもらいました。

マウンテン池田さん(池田清哉さん)
多良岳を愛する会・会長
生まれも育ちも太良町。子どもと山に登ったのをきっかけに多良岳に魅了される。本業のサッシ屋さんのかたわら、登山ガイドや多良岳でのイベント企画を精力的に行っている。
Instagram: https://www.instagram.com/taradake_lovers/

初心者も楽しめる!多良岳のパワーを感じる映えスポット

今回登ったのは、金泉寺登山口から山頂を目指す3〜4時間ほどの初心者コース。
比較的登りやすいコースですが、安全に登るために次の5項目を必ず守りましょう。

  1. 午前中から登り始める
  2. 水や軽食を持っていく
  3. 歩きやすい靴(登山靴、スニーカーなど)で登る
  4. 登山前にしっかりと準備運動を行う
  5. 植物や生きものを勝手に採らない(佐賀県自然環境保全地域に指定されています)
    ※ところどころ足場が悪いところや鎖場もあるため、初めて登る場合はガイドをつけることをおすすめします。
登山前の準備体操
竹崎カニにちなんだ「カニポーズ」を取り入れた準備体操

金泉寺

金泉寺 

平安時代初期、唐から帰国した空海が多良岳にたどりつき、創建したお寺です。真言宗の総本山とも言われており、再建時には全国から多くの寄付がありました。江戸時代には、30ほどの宿坊があり、最も多い時で600人ほどの修行僧がいました。名前は、湧き水の清らかさにちなんで名付けられたとか。登山用の飲み水もここで汲んでいけますよ。

太良嶽神社の鳥居と役の行者像

鳥居の向こうから山頂までは太良嶽神社の土地。つまりご神域です。江戸時代までは女人禁制でした。鳥居のかたわらに鎮座しているのは役の行者像。役の行者は修験道の開祖で、600年ごろに一本歯の下駄を履いて全国の修験道の山を開いていったと言われています。この鳥居にもパワーがあって、スマホの待受にしている方もいますよ。

梵字が彫られた「梵字板」と「梵字岩」。梵字岩の大きい文字は一畳以上あります。

道中の植物や木々、木漏れ日がおりなす景色も多良岳の魅力。

山頂 太良嶽神社上宮と標柱

金泉寺から一時間ほどで山頂に到着。ここには太良嶽神社の上宮があります。太良嶽神社は縁結びの神さまを祀っていて、お仕事にも出会いにもご利益がありますよ。
標柱は、多良岳を愛する会で作ったもの。文字を書いたのも、彫刻をしたのも会のメンバーです。

座禅岩

ここから見えるのは、視界いっぱいに広がる雄大な山々。気持ちの良い景色です。ときどき、一人で来てご飯を食べてコーヒーを飲んで帰ることもあるし、今日みたいにわいわいとみんなでコーヒー片手に話すこともあります。

岩を伝ったり鎖やロープを使ったりして、上り下りするところもあります。足の置き方や鎖・ロープの使い方はガイドがしっかり教えます。

鬼の岩屋

巨大な岩が積み重なっている鬼の岩屋。上の岩が落ちないのは木が支えているからです。
「鬼が岩を積んで家を作っていたけれど、多良岳の神様の機転で『朝が来た』と勘違いして、作りかけのまま逃げ出したものが残っている」という言い伝えがあります。最近は、岩を持ち上げるようなポーズで写真を撮るのが流行っていますよ。

金運のご利益があるといわれる木・ヒメシャラにハグ
金運のご利益があるといわれる木・ヒメシャラにハグ

六体地蔵菩薩

死者が生まれ変わる6つの世界(六道)をめぐって救済すると言われている地蔵菩薩。六道それぞれにちなんだモチーフを持っています。六体目がちょっと見つけづらいので探してみてください。のぞきこむと「自分の未来の姿が見える」と言われる水鏡もこの近くにあります。

最後は再び金泉寺へ。
8時半に金泉寺登山口を出発して、戻ってきたのが12時半ごろ。
ちょうどお昼時。ここからはランチと観光へ。

お食事処 さんぽう

太良町の名物・竹崎カニをトマトクリームパスタでいただく、ぜいたくな一品。座敷の窓から見える有明海を眺めながら食べることができます。太良で獲れた魚介類を使ったお刺身やフライはどれも絶品ですよ。併設したカキ小屋ではカキ焼きも楽しめます。

大魚神社の海中鳥居

満潮時は鳥居の上部まで海に浸かり、干潮時には海中の道を歩くことができる人気スポット。写真は干潮時。最大6mといわれる有明海の干満差が幻想的な光景を生み出します。奥の鳥居のところから振り返ると多良岳が見えます。ちなみに「大魚」はスナメリ(小型のイルカ)のことです。

太良嶽神社(下宮)

多良岳に登らなくともお参りできるように、と建てられた下宮。初詣や地域のイベントなど太良町民にとってはなじみ深い神社です。お参り後に近くの温泉に入るのもおすすめです!

「山登りを楽しんでいたら周りにおもしろい人が集まっていた」マウンテン池田さんインタビュー

太良町で生まれ育った池田さんが、多良岳にハマったのは40歳の頃。子どもと一緒に登ったことがきっかけでした。以降、本業のかたわら週に何度も登り、登山ガイドや山小屋の管理人も行うように。今では毎週末、多良岳に登っています。
2020年には、有志で「多良岳を愛する会」を結成。当初4人だった会員は今や80人超え。
書道や彫刻ができる人は標柱作り、ピザを作れる人は恋活イベントでのピザ作りなどそれぞれのフィールドで活躍しています。
ガイド経験者が入会したり、入会後にガイド見習いとして勉強することもあるそうです。
また、会の発足から毎年、県内各地から集まるメンバーで人材育成として町内の小学生から高校生までの子どもたちの多良岳登山を実施されています。

ガイド中の池田さん。
ガイド中、多良岳の知識をたくさん教えてくれた池田さん。山の楽しみ方、見どころが分かると登山は格段におもしろくなります。

会の活動内容は、ガイド、人材育成(学校登山)、イベント企画・運営、登山道の整備など多岐にわたります。
「イベントは恋活や植物ツアーもやっています。僕は、山はご縁をつなぐ場所だと思うんです。初対面の人同士でも、山に登って、同じ景色を見ながら話をしているうちにいつの間にか仲良くなれます」

道にはみだした木の枝を切る池田さん。登山道の整備はこうした日常的なものから、道の崩壊を防ぐための土砂運びなど大勢で行うものまで多岐にわたる。

山が人間関係を良くしてくれた例として池田さんが教えてくれたのが標柱を山頂へ運んだ時のエピソード。
「山の常連やボランティアが手伝ってくれて金泉寺から山頂までリレー形式で運んだんですが、その中に地元の高校の野球部員たちもいました。その頃、集団として上手くいかず成績も振るわなかったらしいんですね。でも、雨が降る中みんなで一生懸命に標柱を運んだら関係性が良くなって結果も出るようになった。山にいると、みんな自然と思いやりが持てるようになるんじゃないかなと思います。」
以前、祖父母と孫で山に登る企画をした際、登山後おばあちゃんと孫がお互いに「無事に登れるか心配しとったよ」とねぎらい合ったと、後日新聞の投書で読んだことも。

「山に入るとみんな自然と笑顔になる」と池田さんは語る。

池田さんにとって、ガイドやイベントは「山に登るきっかけ」の提供。

「ずっと太良町に住んでいるのに、子どもの頃に一度登って、その後40歳まで一度も登ってなかった。みんなきっかけがあれば登るんじゃないかなと。太良町の人にも登ってほしいですね。『あんたたちの住んでいるところはこんなすごいとこよ』と教えてあげたい」

多良岳を愛する会の活動と本業、どちらも多忙の池田さん。モチベーションはどこにあるのでしょうか。
「ただ自分が楽しいことをやっていたら、こうなっただけ。今日も、自分の楽しいことにみんなが付き合ってくれたと思っています。
山に登って、友だちができて、お師匠さんたちに山のことを教えてもらって、多良岳を愛する会もできた。忙しい時もあるけれど、基本的にガイドも本業も頼まれたことは断らないですね。『頼まれごとは試されごと』です」

山に登り始めて10年、多良岳を愛する会を発足して3年。これからの山での目標を伺いました。

「やりたかった恋活登山や植物ツアーは達成できたので、今後は継続ですね。絶対続けるのは子ども向けの体験案内ガイド。子どものうちに自然を体験してもらいたいし、子どもは国の宝だから次世代につなげていきたいです」

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