田舎×クリエイター「起業するなら佐賀県を選んだ方がいい理由」
- 2021.10.29
- written by 山本 卓

2021年1月。佐賀に移住をしてきて1年4か月が経った頃のこと。僕は従業員1名の弱小会社を立ち上げました。それまでの経歴は、俳優業をし、劇団の代表として作家・演出家として活動をし、某テレビ局に出向している制作会社に勤め、そして2019年9月に佐賀県地域おこし協力隊になったのです。
地方移住を検討している働き世代の中には、移住後の生活への不安を感じている人もたくさんいるのではないでしょうか。せっかく移住するのだから、仕事と生活のバランスを重視したいと思うでしょう。
今回は、移住に関心を持つ働き世代の方へ、「田舎暮らしと仕事」の考え方と、佐賀を起業の地に選んだ方がいい理由をお伝えします。
仕事を生み出す魔法の言葉「困りごとを吸い出す」

田舎で仕事を作り出すための魔法の言葉があります。それは「困りごとを吸い出す」こと。
僕の場合は、コロナ禍で様々なイベントが中止となり、動画発信に関心が高まってきた状況がありました。そんな時「動画の作り方がわからない」と困っていた団体さんから声がかかりました。そうして制作した動画が口コミで広がり、「うちでも作ってほしい」と依頼が増えていき、個人事業主ではなく、会社を設立し、仕事を始めることになったのです。
「田舎は仕事がない」わけではない。仕事にできる種はたくさんある。それが「困りごと」です。例えば、草刈りするのに人手が足りない。年末忙しくて掃除ができない。情報発信の仕方がわからない、など。困りごとがたくさんあります。この「困り事」が需要であり、その需要に対して供給ができれば、仕事として成立する。困り事は、仕事の種なのです。どうすれば種を育てていけるかを考え、供給できるものを「生み出す力」こそ、田舎で仕事を作る一歩目だと思います。
フレキシブルな働き方を目指す人に、地方移住はおすすめ。

地方移住のイメージはスローライフ。コーヒーを飲みながらのんびり自然を感じながら生活し、そして仕事をする。そんな移住生活に憧れませんか?
僕も初めはそう思っていました。だけど……。「スローライフなんて無理!」
自分で仕事を生み出すということは、働かなかったらお金はない。ということです。
仕事以外にも、集落行事や草刈り区役など、やらなくてはいけないことは山ほどあります。

前回、七山のオーケイ・ファームの岡本さんを取材した時にこんな話をしてくださいました。
『新規就農で農業をやりたいっていう人には「年間400日働けますか?」って聞くんですよ』と。
それだけの覚悟がなければ、農業という仕事で生計を立てることはできないのです。僕の場合も同じで、集落行事にも参加しながら24時間365日をフルスロットル状態で走り続けている状態です。しかも駆け出しの会社経営ですので、わからない事ばかり。朝から朝まで、仕事をやっています。スローライフは何処へ。(笑) という状況です。仕事が好きな性分なので、幸せなんですけど。
自分がどの程度の稼ぎをすれば、不安に感じないのか、目標売上を決めてみてください。働きすぎて移住生活をエンジョイできないのは勿体ないですので。
生活のために仕事は、三つの柱を作ることが大切。そして、パズルのようなスケジュール管理。

田舎で仕事をするためには、パズルのようなスケジュール管理が必要です。僕の場合は「映像制作業務」など3つの仕事の柱を作っています。今は協力隊業務もありますので、収入という部分では安心はあります。しかし任期終了後、途端に生活は不安定になります。(就職することも一つの選択肢として良いとは思います。)僕は「映像制作」だけでは厳しいと分かったので、他の収入源を作っておく必要があり、そのために複数の仕事を持つことを選びました。1つの仕事の収入が少なくても、他の仕事で補えるように。しかしこうすると大変なことが起こります。そうです、スケジュール管理です。

以前取材させていただいた七山の長尾養魚場の長尾さんも、パズルのような働き方を実践されています。年間を通じて農林水産業のすべてを一人で行っています。ご興味ある方は記事をお読みください。とても勉強になると思います。
このように、場所を選ばず仕事のできるフレキシブルな働き方がしたい方には、地方移住はおすすめだと思います。ただし自分でパズルのようにスケジュールを管理できるスキルは必要かと思います。
「佐賀を起業の地に選んでよかった」起業するなら、佐賀がおすすめな理由。

起業して9か月が経ちました。まだまだ弱小ではありますが、これまでたくさんの仕事をしてきました。右も左も分からない僕でもなんとかなっているのは、佐賀県だったからだと感じています。それは「佐賀県は何もないと言われるからこそ、ブルーオーシャンが広がっているということ」。そして「ミニマムだからこそ、人と人が繋がりやすいネットワークがあるということ」の2点です。
① 「佐賀県はブルーオーシャンです」
都心部では、すでに一般的になっている仕事でも、地方ではまだ一般的ではないことがある。地方で新規事業を立ち上げた時に、他県では1000人の中で1人に選ばれなければならないのに対し、佐賀は何もないと言われている地域だからこそ、30人の中で1人で(成功できる・目立てる・注目される・突出できる)可能性がある。競合が少なく、注目を集めやすい。新規事業を行いたい人にとって、とても優位になるのではないでしょうか。
② 「ミニマムだからこそできるネットワークの強味がある」
佐賀県は他の県に比べて、スタートアップ事業にものすごく力を入れてくれている県だと思います。さらに市民活動支援や、中小企業向けのサポートもたくさんあります。ということは、起業をするために相談できる窓口が豊富だということです。さらに「こんな人いませんか?」と投げかけた時にすぐに繋がれるネットワークがあります。知り合いの知り合いは友達といった具合なので、一人に繋がると、どんどんと人の輪が広がりやすい。同じ悩みを共有し解決へ導ける力が佐賀県にはあると思います。
まとめ
今までの地方移住は、リタイア世代が「田舎でゆっくり過ごすため」に行うことが多かったかと思います。しかし今は働き世代が暮らしや仕事をより豊かにするため、Iターン・Uターンをしています。
自分がどんな人生を歩みたいかを模索し、その中でこのサイトにたどり着き、佐賀県に興味を持ってくださったのであれば、あなたと佐賀県の相性はばっちりだと思います。フィーリングカップル成立です!
次に起こす行動は、一度遊びに来て、地元の方と交流してみてください。地域の良いところ悪いところがたくさん聞けます。そこで移住した時の自分をイメージしてみましょう。そして「この悩み事なら解決してみたい」と興味が出たら、仕事が生まれます。まずはお気軽に佐賀100で、相談お待ちしています。
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<取材記者>
山本 卓
「佐賀のお山の100のしごと」記者/地域の編集者(地域おこし協力隊)
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<取材記者>
山本 卓「佐賀のお山の100のしごと」記者/地域の編集者(地域おこし協力隊)
大阪府高槻市出身。10代のころから役者を志す。夢を叶えてCMや大河ドラマをはじめ映画や舞台で活動。劇団「ブラックロック」の主宰を経て、海外公演を自主企画で成功させる。その後、キー局情報番組のディレクターとして番組制作に携わる。夢は日本を動かした100人になること! 地域の人に密着した動画作成や、人の顔が見えるマップを作りたくて移住を決意

