地域おこし協力隊は、ワンピースの麦わらの一味と同じなのかもしれない。
- 2021.09.28
- written by 山本 卓

2019年9月。今から2年前のお話です。
佐賀のことを全く知らなかった僕が佐賀県地域おこし協力隊として着任しました。
どうも地域の編集者すぐポン太こと山本卓です。
時間が経つのは本当に早いもので、佐賀県民になって3年目を迎えました。
みなさまに、お世話になりっぱなしで、感謝してもしきれません。
僕は、地域おこし協力隊の制度を使わせていただき移住してきた訳ですが、この2年間で地域おこし協力隊という組織のありがたさを感じてきました。そこで、今回の記事はその「地域おこし協力隊」についてお話をしたいと思います。
不安を安心に変えてくれた。地域おこし協力隊という存在。

これまでの2年間を振り返ってみて思うことは、率直に「協力隊でよかった」ということです。
まず移住すると決めた時に不安だったことは「地域を知らない」ということでした。僕は、地域活性の活動に興味はあれども、何から始めていいのかわからない状態。移住先がどんなところで、どんな方々が住んでいるのかわからない。それはとても不安な部分でした。逆に地域の方々も同じで、どんな人が移住してくるのかわからないと、受け入れる側として不安だったと思います。
その不安を安心に変えてくれたのが地域おこし協力隊。地域と僕とを繋いでくれました。受け入れてくれている佐賀県庁の皆様と、所属させていただいているNPO法人Murarkの存在は大きかった。移住体験や、地域の方々に会わせていただける環境を作ってくれたりと。任期中の些細な悩み事など聞いてくれたからこそ、今こうして地域おこし協力隊として日々楽しく過ごさせてもらえていると思います。
地域おこし協力隊で働く時間は、しっかりと地域のことを知りながら、今後自分が「何をしたいのか?」「何が出来るのか?」を見つけ出せるきっかけをくれる。移住を考えるときに地域おこし協力隊を選択肢の一つとして入れるのはいかがでしょうか?
地域おこし協力隊の仲間は麦わらの一味と同じかも?

この2年間たくさんの地域おこし協力隊の方にお会いしてきました。そして、たくさんの方が任期を終え、卒業していかれました。育ってきた環境の違う人たちなのに、「佐賀県をよくしたい」と同じ目標にも向かって日々たくさんの課題に取り組み、仲間同士で切磋琢磨しています。
地域おこし協力隊の仲間って、漫画「ワンピース」の麦わらの一味と同じではないか思うことがあります。ワンピースを簡単に説明すると、海賊となった少年モンキー・D・ルフィが、ひとつなぎの大秘宝ワンピースをめぐる海洋冒険ロマンで、島から島へ冒険しながら仲間を集めながら主人公が海賊王を目指す。ざっくり言えばこんな感じの漫画です。
「なんで協力隊はワンピースの麦わらの一味と同じなの?」
実際に麦わらの一味は、全員が海賊王になりたいとは思っていません。例えば、世界一の剣豪になりたいだったり、世界地図を書きたいだったりと、それぞれ野望が違っている。にもかかわらず、同じ海賊船に乗り、旅をしている。野望が違う人たちが、どうして同じ場所にいることができるのか?
それは、それぞれの野望の為だけではなく、海賊船に乗って仲間と旅を続けたいという、仲間意識があるからなんじゃないだろうかと思っています。ある回で「仲間ってなに?」という質問に、あるキャラクターが答えるシーンがありました。
「仲間って助け合えることじゃない。俺はここまでやった。だからお前の番だ。お前ならどうする?って、言えるのが仲間なんじゃないか」
こんな内容だったと思います。詳しくは漫画を読んでください。(笑) この回を見たときに協力隊の仲間って「これだ!」と思ったんです。
「俺はここまでやっているぞ! そっちはどうだ?」って。
地域も違う、それぞれ担当している仕事も違う、スキルも違う。でもそれでいい。麦わらの一味の船=佐賀県で、麦わらの一味=地域おこし協力隊です。
「子供たちが自然の中で学べる環境をつくりたい」「防災の強化をして住みやすい町づくりをしたい」「空き家問題を解決して、町を守りたい」とみんなそれぞれ野望は違う。ただ佐賀県が好きだという想いは同じなのです。佐賀県の「地域活性という大秘宝」を求めて、自分たちの野望のために冒険しているような気がします。
卒業まで残り半年。より多くの方々にお山の魅力を伝えたい。

これまでたくさんの方を取材させていただいてきました。取材させていただきながら、勉強することばかりです。ひとりひとりが魅力的で、キラキラしていて。2年前では想像できなかった生活を過ごさせてもらっています。あのとき協力隊として移住しようと一歩を踏み出さなかったら、今はない。不安もあったけど協力隊として踏み出せたことが、今佐賀を大好きになるきっかけとなりました。そして取材を通して、たくさんの仲間に出会えました。僕にとっての、ひとつなぎの大秘宝ワンピースは、仲間の笑顔なのかもしれません。これからも、みなさまに地域の宝である「ひと」と「しごと」の魅力をお届けしていきます!
世はまさに地域活性化時代。探してみよう。地域活性化の大秘宝。それは佐賀県にある。
集英社 漫画「ONE PIECE」より引用


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<取材記者>
山本 卓
「佐賀のお山の100のしごと」記者/地域の編集者(地域おこし協力隊)
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<取材記者>
山本 卓「佐賀のお山の100のしごと」記者/地域の編集者(地域おこし協力隊)
大阪府高槻市出身。10代のころから役者を志す。夢を叶えてCMや大河ドラマをはじめ映画や舞台で活動。劇団「ブラックロック」の主宰を経て、海外公演を自主企画で成功させる。その後、キー局情報番組のディレクターとして番組制作に携わる。夢は日本を動かした100人になること! 地域の人に密着した動画作成や、人の顔が見えるマップを作りたくて移住を決意

