納所交流センター「くつろぎ」と「ビワノミサイダー」
多久市の南東端にあり、なだらかな山地と牛津川に囲まれた納所地区では、少子高齢化や人口流出により、小学校が閉校となったほか、地区唯一の商店に閉鎖の話が出るなど、さまざまな問題に直面しています。また、特産品の「納所びわ」も、後継者不足により耕作放棄地が目立つ状況である。
こうした状況に対応すべく、同地区では、総務省の平成26年度「過疎地域自立活性化推進交付金」を活用した「小学校閉校舎を活かした納所活性化プロジェクト」をスタート。
その取組の一環としてできたのが、地域の新たな交流・活動拠点である納所交流センター「くつろぎ」と、地域の特産品を活用した新商品「ビワノミサイダー」である。
①納所交流センター「くつろぎ」
納所交流センター「くつろぎ」。
小学校の面影を残しながら、装いも新たにオープン。
多久市立納所小学校は平成24年度限りで閉校となったが、これをネガティブにとらえるのではなく、新たな役割、地域の輪の中心を今後担えるような場所として利活用していこうという考えに基づいて改修を施し、平成27年4月に納所地区の新たな交流拠点としてオープン。
ミニショップ「びわの郷」をはじめ、会議室スペース、くつろぎサロン、ちびっこルーム等があり、老若男女問わず、地域住民が気軽に立ち寄ることができ、多目的に利用できる施設となっている。また、定期的に各種イベントも実施。
※開館時間 8:30~17:00 (日・月曜定休)
センター内のミニショップ「びわの郷」。真新しい店内には、食料品や日用品が並び、車などの移動手段を持たないお年寄りや子供たちの味方である。
鏡貼りの部屋も整備してあり、祭りやダンスの稽古などに使われている。ルール
「ちびっこルーム」。遊具や絵本、コミックなどが用意され、取材時は夏休みでもあり、遊びに来ていた小学生たちとすれ違った。
②ビワノミサイダー
「ビワノミサイダー」(1本¥250)炭酸の刺激と枇杷の風味が特徴の爽やかな飲料。多久市納所地区は、県内有数の枇杷(びわ)の産地として知られている。ビワノミサイダーは、先述の納所交流センターを立ち上げた「納所里づくり委員会」が、「こどもびぃる」などユニークな商品で知られる小城市の「友桝飲料」に委託して開発した炭酸飲料である。枇杷をそのまま出荷するだけでなく、加工品として販売することで、本来限られた時期にしか食べられない枇杷を1年通して味わってもらう狙いがあり、枇杷の需要を掘り起こすことによる耕作放棄地の解消も視野に入れている。継続的に生産されていて、ミニショップ「びわの郷」のほか、市内各所でも販売されている。