佐賀県最小の町・大町町。炭鉱の歴史を感じさせる静かな町並みと、聖岳展望所からの六角川を望む雄大な景色が魅力です。名物「たろめん」を味わえる食堂や、昔ながらの和菓子店、こだわりのショップなど、地域の魅力が詰まったスポットが点在し、自然・歴史・日常がほどよく混ざり合う大町町のおすすめスポットを紹介します。
福母神社 静けさに包まれたやすらぎのスポット




福母八幡宮は、平安時代に創建された歴史ある神社で、「福の母が鎮まる宮」として地元の方々に大切にされています。緑に囲まれた境内はとても落ち着いた雰囲気で、訪れると心がふっと軽くなるような、やさしい空気が流れています。神功皇后をお祀りし、古くから安産・子育ての女神として信仰され、親しまれてきました。月替わりの御朱印や、御朱印帳など、参拝の記念になる授与品も人気です。ぜひふらりと立ち寄って、静かな時間を味わってみてください。
聖岳展望所 大町町の記憶と風景が交わる場所





標高418mの聖岳の山頂にあり、大町町を訪れたらぜひ立ち寄りたい展望スポット。展望所からは、眼下に広がる白石平野とそのなかを蛇行する六角川、そして有明海まで望むことができます。春の新緑、夏の深い緑、秋の紅葉、冬の澄んだ空気——四季それぞれに表情を変える自然に包まれ、展望所へ至る遊歩道を散策するだけでも、心地よい森林浴が楽しめます。
「自然をゆったり感じたい」「リフレッシュしたい」「ちょっとした山歩きも楽しみたい」――そんな人にぴったりな、聖岳展望所。大町町の自然と歴史、そしてちょっとした“特別な時間”を味わえる場所です。
【大町町】やみつき必至!ここでしか食べられない名物「たろめん」を味わい尽くすおすすめ3店
「たろめん」とは
たろめんは、佐賀県大町町で親しまれるご当地グルメ。
牛骨を長時間煮出したコクのあるスープに、つるりとした中太のうどん麺、えびや豚肉、キャベツ、にんじんなど具だくさんのトッピングが特徴です。しょうがの香りが味を引き立て、幅広い世代に愛される町のソウルフードとして知られています。そんな「たろめん」を食べられるお店をご紹介します。
https://www.sashoren.ne.jp/omachi/taromen
「ふるさとダイニング」
特注で仕上げてもらう生麺を使用。乾麺では味わえない、もちっとした弾力と、噛むほどに広がる小麦の風味が魅力です。スープがしっかり絡む滑らかさは、生麺だからこその味わい。

豆板醤をベースにした香り高い辛味が、特製スープの旨みと見事に調和する「赤」たろめん。辛さだけでなく、深みのあるコクと香りが広がる“旨辛”の仕上がりが魅力です。ピリッと心地よい刺激がクセになる一杯で、いつものたろめんとはひと味違う“攻めの味”を楽しめます。

大町町で「元祖のたろめん」を目指し、丁寧な一杯を提供している「ふるさとダイニング」。特徴的な中太の麺は、製麺所に特注して作ってもらうオリジナル生麺。もちもちとした食感が、濃厚な牛骨スープと絶妙に絡み合います。深いコクがありながら、やさしく後を引く味わいが魅力です。器には有田焼を使用し、見た目にも大町ならではの温かみを感じられます。昔ながらの味を守りながら、ピリッと辛い「赤」、黒ごまのコクが広がる「黒」など、個性豊かなバリエーションも楽しめます。
さんゆうし
15年間変わることなく愛され続けてきた、どこか懐かしい“家庭の味”。昔から変わらぬ丁寧な仕込みとやさしい味わいが、訪れる人の心とお腹をそっと満たしてくれます。

たろめんの出汁をとった牛骨に残る旨みと骨まわりの肉をたっぷり使い、ほどよいスパイスと合わせて仕上げた一皿です。牛骨ならではのまろやかなコクが広がる、ここでしか味わえない特製カレー。

大正9年創業、四代にわたり暖簾を守り続けてきた「さんゆうし」。105年の歴史が育んだ一杯は、ツルツルとした独特の麺が特徴です。さまざまな麺を試行錯誤し、ようやくたどり着いたというこの麺は、老舗ならではの奥深さを感じさせます。味の決め手となるのは、店主こだわりの塩分と油が控えめのオリジナルスープ。その内容は秘密とのことで、店主だけが知る“家の味”。一口すすれば、歴史と伝統がゆっくりと広がります。時代が変わっても、飾らない“いつもの味”を大切にし、地元で長く愛され続ける一軒です。
家族庵
先代から受け継いだ出汁へのこだわりが生きる、やさしい味わいの一杯です。丁寧にとった旨み深いスープに、現店主ならではの“ひと工夫”を重ね、今の時代に合うバランスへと仕上げています。

海老の天ぷら、ホタテ、鶏肉、椎茸など、彩り豊かな具材がたっぷり入り、ご飯を合わせておじや風に仕上げた一杯です。やさしい和風出汁が、うどんにもご飯にもじんわり染み込み、食べ進めるほどに深い満足感が広がります。

たろめんを始めた当初は、お客様からさまざまな声をいただき、試行錯誤を重ねてきたという「家族庵」。元祖のたろめんの味を知ったうえで、自分たちの好みと工夫を少しずつ加え、現在の“家族庵のたろめん”へと育ててきたとのこと。丁寧に仕上げたスープは、寒い冬には体の芯からじんわり温まる一杯として、多くの人に愛されています。落ち着いた佇まいの“和風レストラン”として、伝統を踏まえながらも、家庭的な温かさを感じる“今のたろめん”を提供しているお店です。
香月餅饅頭店 110年の歴史を誇る老舗和菓子店



創業から110年の歴史を誇る老舗和菓子店です。現在は三代目が店を守り、地元に愛される味を届けています。塩あんもちやおはぎ、破れ饅頭、贈答用のおもちなど、伝統の和菓子を幅広く製造・販売。特に自家製の餡は、店で豆から丁寧に仕込み、素材の風味を活かした深い味わいが特徴です。塩あんもちには、他の饅頭とは異なる特別なあんこを使用し、ほんのりと塩味が感じられる絶妙な甘じょっぱさが魅力。長年受け継がれてきた職人の技と心が、和菓子ひとつひとつに込められています。
HOLLOWS GENERAL(ハローズ ジェネラル)大町町のカルチャー発信拠点





国道34号線から少し入った場所にある、個性あふれるライフスタイルショップ。内装などは鹿島市から移住したオーナーが自ら手作りし、訪れるだけでもワクワクする雰囲気。店内では、スケートボードの端材を使ったオリジナルアクセサリーやオーナーがデザインしたオリジナルのロンTなどのアパレルを販売しています。カフェスペースもあり、ゆったり過ごしながら店内を楽しむことができます。壁にはオーナーの描いた絵画も飾られ、訪れるたびに新しい発見が。モノづくりとアート、カフェが一体となった、カルチャーの発信拠点として、大町町に新しい風を吹き込んでいます。
【教えてくれた人】
公門 寛稀さん(くもん ひろき)さん
Public Gate合同会社代表
自動車部品メーカーのエンジニアを経て、ピースボートで世界各国を巡る。20年より大町町地域おこし協力隊(防災担当)として着任後、地域住民・行政・NPOをつなぎ、地域防災の仕組みづくりに携わる。 「六角RIVERフェス」など、地域イベントを通じた“防災・コミュニティづくり”を企画・運営。
▼公門 寛稀さんインタビュー
支援の現場から地域づくりへ──公門寛稀さんが見つけた“本当に強いまち”のつくり方 | よみもの | 佐賀県地域づくり公式サイトさがじかん
- 世界を見て気づいた“日本の良さ”、そして、災害支援との運命的な出会い
- 文化と祭りが支える、地域コミュニティの強さと防災力
- 六角RIVERフェスにみる、民間でつくる新しい“流域コミュニティ”
- 地域で活動する難しさは “人” ──だからこそ面白い!
- 3〜5年後の展望 ──「防災といえば大町町」と言われるまで]







